運用の壁を乗り越えるために

この度は、GIGAスクール構想の支援上の問題の内、先生方がICT機器の導入後、運用にあたって実際に起こりうる問題に対して、先生方へどのような支援を行っていくのかについて書かせて頂きたいと思います。

ICT機器の導入が済み、実際に運用して、まったく何のトラブルも無く運用できるでしょうか?実際の運用にあたっては、何らかのトラブルが発生してくることが予想されます。

GIGAスクール構想は、これまでに前例のない、学校での生活が一変するほど大きな試みであるためです。ごく先進的な一部の学校を除き、ほとんど誰もが未知の領域で、そこではハードウェアの問題、ソフトウェアの問題、ネット回線の問題等予想が付きやすい問題から、運用面での課題である、アカウント管理や転出入処理時にどうするか、セキュリティと個人情報保護と授業のしやすさをどう取り扱うか等、様々な問題が発生しうるわけです。(例えば、初期不良率が0.05%の端末を導入しても、1万台に5台はトラブルが発生する計算になります。)

では、このような多くの種類の問題に対して、どのような支援を行えば、先生方が効率的に業務を進められるのでしょうか。

そのカギは、学校、保護者、教育委員会、ICT支援員、企業、地域がいかに綿密な連携をとれるかにかかっていると私は考えています。GIGAスクール構想はかなり急ピッチでの導入、運用となる構想です。これに対してハイパーブレインは以下の方法で先生方をご支援する体制を作りたいと考えています。

①あらかじめ予見される問題をできるだけ多く洗い出しておくこと

②起こった問題は事例としてストックしておき、学校、ICT支援員、企業の間でスムーズに情報を共有できるようにしておくこと

以上の二点を徹底することで、先生方かける時間的負担を減らすようご支援ができると考えています。

まず①に関してですが、例えば導入される機種、使用されているOS、ソフトウェアを前もって運用支援側で知っていれば、運用に際して難しそうなポイントや、使用する際に起こりうるトラブルの元となる部分を洗い出しておくことが可能になります。ネットワークの問題に関しても同様で、物理的なネットワークの配置場所や、ネットワーク構成を予め知っておくことが出来れば、どのような問題が起こりうるかをある程度推察することが可能になり、事前の周知が可能になります。ハードウェア的な問題だけでも、「事前に運用支援を実施する立場の人に情報を知らせておく」ことの利点がお判りいただけるかと思います。長年ご支援してきた自治体では、他にも運用管理面での課題も洗い出すことができます。最初からすべてがうまく運用が回ることはありません。やむを得ず、一部の人が大変な運用方法をとる必要が出てくることもあるでしょう。その際に、できるだけ負担は偏らず、できるだけ皆便利な方法をご一緒に考えることもできます。良い方法がとれるようになった際に速やかに運用の変更についてご提案することもできます。

情報はできる範囲でできるだけ共有しておくとよいことが起こる、ということですね。「知恵は多いほうがいい」とシン・ゴジラでも言っていました。

次に②ですが、1.問題が発生する→2.ICT支援員やコールセンターにお問い合わせ頂き、極力その場で解決できるようにする→3.問い合わせ内容を事例としてデータベースに記録しておき、同じ問題が起こった時にすぐに解決方法を引き出せるようにする。このサイクルをできるだけ早く回し、実際に起こった多くの問題を事例としてストックしておくことで、より素早い問題解決が可能になります。このストックをどう生かすか、については我々ご支援の立場の腕の見せ所です。単にストックするだけならきっと真面目な人ならだれでもできます。ですが、それを活用するためには「すぐに引き出せる」「誰でも引き出せる」状態にしておく必要があり、そのノウハウを我々は日々構築し、模索しています。

コールセンターやヘルプデスクはそのうちAIにとってかわられるかもしれません。簡単なことならAIが返答してくれれば時間短縮になりますしよいことも起こるでしょう。ただ、我々長年ご支援してきた立場には、「言葉の後ろに隠れた本当の困りごと」を察知できる、いわばカンが働きます。これは残念ながら育成で効率的に身に付ける方法が確立されていませんし、誰でも簡単に手に入るものでもありません。AIにとってかわれない我々の財産です。

例えば、コールセンター範囲外のお問い合わせがかかってきたとしましょう。AIあるいはマニュアル対応なら「それは範囲外です」で終わりです。私なら、「そちらは範囲外になるかもしれないのですがどのような点でお困りですか」「現在どのようになっていて、いつまでにどうされたいのですか」「それでは最短でこのような方法が取れますので、ご案内する電話番号にこのようにお伝えください」というお話をします。

そのために、支援のノウハウを持っている我々に費用を払っていただいている、と考えています。通り一辺倒の対応でよろしければ、時給980円で働きます。それ以上のことをご希望いただく場合は、その費用を頂きます。これがAIにとってかわられない仕事の価値だと考えて、我々はご支援をしています。

①、②に共通して必要な事は、ステークホルダーの間での綿密な情報の共有です。

情報を共有することで、先生方は問題の起こっている機器や環境の情報を伝える手間を省くことができます。ICT支援員は保守業者や運用支援業者側で解決する必要のある問題が何であるのかを知ることができるようになります。保守業者や運用支援業者はより現場の詳しい状況を把握しやすくなり、素早い回答が可能になります。このように、全ての関係者に大きなメリットが見込めるわけです。 繰り返しになりますが、GIGAスクール構想は急ピッチで進んでいる構想であり、どうしても問題が発生することになると思います。それに対して大切なのは、問題解決のスピードをできるだけ上げようとする努力であり、問題発生から解決をできる限り高速で繰り返し、問題解決のための方法を蓄積し、それを共有することで同じ問題が発生した場合に早急に対処できるようにすることです。問題が多くなると、解決せずに先延ばしすることでまあいいか、という気分になることがあります。追求しないとなかなか返事もくれない、というような残念な運用支援業者もいます。ですので、問題解決のスピードはできるだけ上げておいたほうがいいのです。今はまだこれに対応しなくていい、などということは誰が決めるのでしょうか。支援担当が決めてよいことではありません。そういうご支援を我々は心がけています。そのようにすることで、ICT機器の運用にあたって、より先生方にかかる手間を減らすようご支援を行っていきます。

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