動画[適切な学校ICT環境整備に向けて]について

2020年6月25日に、文部科学省より「適切な学校ICT環境整備に向けて」という動画がYouTubeにて公開されました。

今回は、この動画の内容について解説させて頂きます。

この動画では学校がどの様にGIGAスクールを導入したら良いのかについての解説がされており、ICT端末(タブレット)の調達、ネットワークの整備、ICT人材の調達について詳しく解説がされています。本記事ではそれぞれの項目について、1つずつどのような事が述べられているか、解説させて頂きます。

~ICT端末(タブレット型)の調達~

タブレットの調達に関して、

①小学校6年生や中学校3年生(最終学年)といった調達の優先順位を決めて、優先度の高い順に段階的に調達する。

②調達業者は、調達台数が確定することで市場から調達する段階に入ることができるようになるため、まずは学校が調達に着手することが必要となる。

③従来の端末は高性能かつ多くのアプリケーションがインストールされていた。クラウドの使用を前提とすることで本体性能を抑えることが可能であり、調達費用を安く抑え、納入までの期間を大幅に短縮できる。

④業者に「在庫がありません」と言われた場合にも、OS事業者(マイクロソフト、アップル、グーグル)に直接相談することで、調達できる可能性がある。

といったことが述べられています。①から順番にご説明いたします。

①学年ごとに端末導入の優先度をつけ、小学校6年生や中学校3年生など、最終学年から優先的に端末の導入を行っていきます。

②調達業者は、学校が調達をすることを決定し、調達業者にその旨が伝えられることで初めて調達に向けて業務を開始する事が出来ます。学校が早期に調達するという決定を業者に伝えることが出来れば、それだけ業者は早く調達に向けて動く事ができるようになります。そのため、学校側から業者に調達を決定したことを早期に伝えることが大切になります。ただし、共同調達や、入札を実施する自治体もあるため、公立学校の場合は必ず自治体に確認をお願いします。

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③従来の端末は高性能で、様々なソフトウェアがインストールされた物が使用されてきました。これはクラウドを使用することで、低スペックの端末でも必要なソフトウェアを動作させられるようになり、様々なソフトウェアのインストールが必要無くなります。端末のサポートをまとめて業者に委託することで、サポート費用を抑えることができ、ソフトウェアのインストールの必要が無くなることで、納入期間の大幅短縮が見込めます。

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(出典:文部科学省 適切な学校ICT環境整備に向けて 18:35)

④調達業者に「端末の在庫が無い」と言われた場合でも、OS事業者に直接連絡をすることで調達が可能になったという例が散見されるとのことです。調達業者に端末の在庫が無いと言われた場合でも、一度直接OS事業者に直接連絡してみてはいかがでしょうか? こちらも、公立学校の場合は自治体に情報を提供し、自治体から問い合わせてもらうようにしてください。

Microsoft: GIGAMS@Microsoft.com

Google: gfe-jp-isr@google.com

Apple: giga@apple.com

(出典:出典:文部科学省 適切な学校ICT環境整備に向けて09:55)

~クラウドを導入するメリット~

端末はクラウドに対する窓口の役割を持ち、データそのものはクラウド上に保存されるようになります、そのため、アカウントとパスワードを持っていればどの端末からでもデータにアクセスできるようになります。(データはアカウントに紐づく為、アカウントの発行が必須であり、アカウント・パスワードの管理がセキュリティ上とても重要になります。)端末ではなくクラウド上にデータが保存されるために機器の故障に強いというメリットや、動作に求められる端末の必要スペックが低いというメリットがあります。

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(出典:文部科学省 適切な学校ICT環境整備に向けて19:45)

~ネットワークの整備について~

GIGAスクール構想におけるネットワーク整備に関しては、

①教育委員会等のネットワークの整備

②校内LANの整備(学校外への通信、校内整備)

③家庭学習に向けた家庭用ネットワークの整備

について述べられています。これも①から順番にご説明いたします。

①GIGAスクール構想では、校務情報等の機微に扱う必要のある情報の管理を除いて、維持管理費用の低いパブリッククラウドへの順次切り替えが推奨されています。これはパブリッククラウドを利用することで維持管理費を低く抑えることが可能であり、データセンター等のネットワークにボトルネックが発生した場合、全学校の高速通信の妨げになってしまうという問題もあるためです。

②学校から外部のネットワークにつなぐ際には、学習用回線はVPNを経由する必要は無く、10Gbpsベストエフォート型の回線の利用が提言されています。ベストエフォート型の通信がどんなものかと言うと、常に10Gの速度を保証するのでは無く、10Gbpsの速度が最高速度として出せるようになっているという回線です。インターネット回線というのは、基本的に夜に込み合い、昼間は比較的空いています。これは、ネットワーク回線を混み合わせる原因である家庭での動画の視聴やゲームは基本的に夕方から夜に行われるためです。

そのため、授業が行われる昼の時間帯には、高速な通信が期待できます。利用料に関しても、ベストエフォート型のネットワークを導入することで、大きく抑えることができます。
その上で、一台一台の端末がスムーズに動作し、動画を見られることを業者に担保してもらうことで、利用料を抑えつつ、学習用回線をスムーズに利用できるようになります。

また、学校内ネットワークを引いた通信事業者と学校外の通信事業者、データセンター等の通信事業者を同じ事業者にすることが推奨されています。これは、問題が発生した場合にどこで問題が発生しているのかが非常にわかりやすくなる、通信速度のボトルネックとなる箇所がどこか調べやすくなる、問題発生時の責任の所在がわかりやすくなるといったメリットがあるためです。

校内のネットワークに関して、業者に構築を依頼した際に、企業で使われているネットワークと同水準の冗長性のネットワークの構築を提案する場合があるようです。動画では、企業で使われている程の冗長性は校内のネットワークには必要ないとされています。そういった冗長性を省いて、必要なレベルに落とすことも、ネットワークの低コスト化に繋がります。

校内のネットワークに関して、業者に構築を依頼した際に、企業で使われているネットワークと同水準の冗長性のネットワークの構築を提案する場合があるようです。動画では、企業で使われている程の冗長性は校内のネットワークには必要ないとされています。そういった冗長性を省いて、必要なレベルに落とすことも、ネットワークの低コスト化に繋がります。

③家庭学習におけるネットワーク利用について、自宅でネットワークに接続できない子供には、USBドングルやSIMカードを調達し、貸与することで、家庭でのネットワーク環境を整えることができます。通信費については、携帯電話の事業者に相談していただき、相対契約を結ぶことで費用を抑えられる可能性があります。(自治体が契約を結ぶことになると、まとまった数の契約となるので業者が効率的なネットワークを提供することが可能になり、利用料を下げられるため。)また、格安電話会社も有力な契約相手となります。

2年後、3年後に新型コロナウィルスが収まり、家庭学習のために必要な通信量が減ってきた場合には、通信量を絞ることや、契約解除することで対処ができます。
低所得世帯の通信費に限った話になりますが、就学援助から生活保護の援助を充てることもできます。このような補助金制度もあるため、是非ご検討いただければと思います。

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(出典:文部科学省 適切な学校ICT環境整備に向けて41:57)

~ICT人材の調達について~

「IT人材がいない!どうやって探せば良いの?」という自治体が多くいらっしゃるかと思います。現在、文部科学省が、自治体に人材をご紹介できる業者や団体を紹介しています。GIGAスクールサポーターだけでなく、ICT支援員の紹介もあります。また、端末のみの保守管理ではなく、GIGAスクールサポーターとして学校のICT環境を一体として支援してもらうのはどうかと提案がされています。(このようなサポート体制にすることで、端末一台一台にかかる補助金をある程度人的資源に回すことができるというメリットがあります。)

具体的な事業者は、「ICT活用教育アドバイザーの活用事業」事務局HP(http://www.oetc.jp/ict/top/)に地域別、業務領域別に掲載されており、弊社も登録しております。(事業者は現在進行形でアップデートされております。)

~学校向けではないその他の予算制度の利用について~

8月17日現在、新型コロナウィルス感染層対応地方創生臨時交付金の受付は終了していますが、同交付金に申請することで、児童生徒・教員が学校・自宅で使うICT環境の整備・運用経費の内、他の支援施策の対象とならない、又は超える部分に充当する事が出来ました。具体的には、端末調達の45000円を超える部分の3分の2等、新型コロナウィルス対策の為の費用の3分の2を充当することができました。

この様に、直接学校のICT化に関わる補助でなくとも、新型コロナウィルス対策に必要な費用として計上することで、補助を受けられるようになる可能性があります。もし予算が足りない場合、他の予算制度から補助を受けられる可能性があります。

どうしてもICT環境を整えるための予算が足りないという場合には、上記の様な学校向けのみではない他の予算を活用できないか、別の予算制度に目を向けてみてはいかがでしょうか。

<参考資料>

文部科学省 適切な学校ICT環境整備に向けて

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