GIGAスクール構想に向けた調達の現状と、調達、運用の好事例のご紹介

9月11日に、「GIGAスクール構想の実現に向けた調整等に関する状況(8月末)について」の速報値が発表されました。この資料では現在の全国の調達状況がどうなっているのか、早期整備を済ませた自治体はどのようにして調達を行い、どのように運用しているのかについての好事例がまとめられておりますので、ご紹介させて頂きます。

<GIGAスクール構想に向けた調達などに関する状況について>

GIGAスクール構想実現に向けた調達などに関する状況にて、全国の約3分の2以上の自治体で、ICT環境の整備が出来ていないことが明らかになりました。
9月時点で調達が完了している自治体は4.3%(79自治体)、年内に調達が完了する自治体は全国で27.4%(533自治体)、年度内に調達が完了する自治体が97.6%(1804自治体)となっています。この内、38.9%が3月に調達が完了予定になっていますので、3分の1以上の自治体が、最も病気の流行りやすい1~3月に間に合わないことになります。
これらの原因として、事業者の選定(落札)から納品完了までに時間がかかっている事が挙げられています。

<参考資料 文部科学省 「GIGAスクール構想の実現に向けた調達等に関する状況調
査」の速報値公表及びそれを踏まえたICT環境整備の加速化
に係る対応策について(通知)
(最終閲覧日2020年10月15日)>

共同調達を終えた好事例として紹介されている自治体の取り組みの例として、調達プロセスの効率化・迅速化、最終学年への先行納品、分割調達、家庭にICT環境がないキッティングの効率化が挙げられており、特に調達・納品等に関するプロセスの効率化・迅速化の割合が高くなっています。

<参考資料 文部科学省 「GIGAスクール構想の実現に向けた調達等に関する状況調
査」の速報値公表及びそれを踏まえたICT環境整備の加速化
に係る対応策について(通知)
(最終閲覧日2020年10月15日)>

9月までに調達が完了した79自治体の内、66自治体が上記の内の何かの対策を取っており、児童生徒数が1000人を超える自治体の全てが上記の内の何らかの対策を取っています。

特に多いのが調達、納品プロセスの効率化・迅速化の検討になっており、例えば早期調達がされた兵庫県では情報化推進協議会という県教育委員会・県内の市町組合教育委員会から成る任意団体が調達の手間を簡略化するために支援していますし*1、奈良県では共同調達にあたり、早期から県内の自治体間の情報のやりとりを綿密に行う事で調達・納品のプロセスの効率化・迅速化を図っているほか、インストール型のアプリケーションは除外することで、キッティングの効率化を図っています。*2また、奈良県は県全体の共同調達が完了している非常に稀有な例でもあります。(奈良県の共同調達については、「奈良県におけるGIGAスクール端末共同調達の実例」でより詳しくご紹介させていただいています。)

これらの事例では、自治体内で推進体制をとり、県域を挙げて調達を行うことが素早い調達に繋がっています。 別の好事例では、円滑な導入に向けて業者との定例会を行うことや、早期納入が行えるよう業者と協議、メーカーへのヒアリングを行うなど、外部業者との綿密なやり取りをしている自治体が多く、調達・納入の段階においては、OS事業者を含む各事業者との連携によって早期納入を実現しています。

<整備された端末の活用ついて>

学校に整備された端末を積極的に活用するための方針として、クラウド活用が挙げられています。クラウド活用は、個人情報の保護やクラウドを前提としたネットワークの整備など、導入が大変な部分もありますが、アプリケーションに頼る部分が少なくなるためキッティングの簡略化や校務上での手間の削減が期待できるなど、導入に大きなメリットがあります。

クラウドを活用するに当たって先行自治体が情報セキュリティの問題をどの様に解決したのかについて、奈良県の例を「奈良県のG Suite for Educationの導入にあたっての個人情報の管理体制のご紹介」でご紹介しておりますので、こちらもご参照いただければと思います。
整備された端末の利用については、文部科学省では以下の点について留意いただくようにとしています。

事前の準備

・端末貸し出し状況の把握:端末の貸し出し状況を適切に把握する仕組みの検討
・セキュリティへの配慮:外部からの攻撃、有害情報へのアクセス禁止、個人情報の扱い、情報モラル
・端末設定の確認:家庭等でのネットワーク利用の円滑化 ・連絡体制の構築:課題の配布、故障時の連絡など、学校・家庭間で連携のとれる体制

<参考資料 文部科学省 「GIGAスクール構想の実現に向けた調達等に関する状況調
査」の速報値公表及びそれを踏まえたICT環境整備の加速化
に係る対応策について(通知)
(最終閲覧日2020年10月15日)>

端末利用時

・利用者の明確化:児童生徒、保護者といった予め決められた方が端末を利用できる
・利用目的の明確化:学校とのやりとり、課題の実施、授業の配信など目的を明確化する
・安全環境での利用:火元、水回りを避け、端末を大切に扱うよう指導

これらの注意点の他にも、運用を開始している自治体では、利用に当たって、児童生徒の健康上の注意(長時間使用しない、目の疲れへの配慮、就寝前30分は利用しない)に関する項目を伝えたり、カメラを使うときは撮影相手の許可を取ったりする、SNSの禁止、鉛筆やペンは使わず、専用ペンを使うようにするなど、利用上具体的なルールを作って運用しています。

共同調達に当たってどのような点に注意して進めれば迅速化・効率化ができるのか。導入された端末を実際にご家庭で使用するに当たって、どのような点に注意してもらえば良いのか、どのようなルールを作ればよいのかについて悩まれている自治体様の調達、運用のヒントになれるのではないかと考え、ご紹介させていただきました。その様な自治体様の一助となることが出来れば幸いです。

<参考資料>

*1 兵庫県教育委員会 – GIGAスクール用タブレット端末の共同調達
http://www.hyogo-c.ed.jp/~kikaku-bo/ictkyougikai/ictkyougikai.html(最終閲覧日2020年10月15日)

*2 奈良県教育研究所 【奈良県】県域共同調達「情報端末プロポーザル」実施(2020.7)
http://www.e-net.nara.jp/kenkyo/index.cfm/27,3518,109,html(最終閲覧日2020年10月15日)

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