東京都教育委員会リーフレット「教師が変わる 学校が変わる 子供が変わる~一人1台端末の効果的な活用に向けて~」のご紹介

2021年2月15日に、東京都教育委員会より、学校のICT化に関するリーフレット「教師が変わる 学校が変わる 子供が変わる~一人1台端末の効果的な活用に向けて~」が掲載されました。

このリーフレットでは、GIGAスクール構想による一人1台端末の配備後、効果的に活用するための方法や事例が掲載されています。今回は、このリーフレットをご紹介させて頂きます。

リーフレットを見ると、最初に一人1台端末を活用する準備のチェックリストが記載されています。

このチェックリストは、授業のみではなく、校務全般に関するICT化のリストになっています。このことから、東京都教育委員会が単純に授業にICTを取り入れるだけでなく、校務全般を含む学校全体のICT化を考えていることがわかります。

次に、一人1台端末時代における教育のデジタル化ロードマップが記載されています。

ロードマップは第0期(従来の学校)から第1期(一人1台端末の導入)、第2期(一人1台端末の活用拡大)、第3期(一人1台端末の日常化)、第4期(一人1台端末の溶け込み)から構成されています。

現在は第1期で、第2期には数カ月で移行することを目指すという記載があります。また「教具から文具へ」という文言も書き添えられており、日常的にICT機器を利用することがあたりまえの教育を目指していることがわかります。

これから訪れる社会では、情報の利活用は読み書きそろばんと同じレベルの重要性を持つということが言われており、*1これからの社会で生きる子供たちが正しくICTを活用できるリテラシーを育てられるようになることを目指していることがわかります。

次のページ以降では、1~5の番号をつけて、ICTを学校で活用している事例や効果的に活用する方法が記載されています。

1、2では、ICTを活用した共同的な学習の実践事例や、高校説明会、社会科見学といった学校行事をオンラインで行う事例が紹介されています。

リアルタイムでの質疑応答などにも対応が可能で、特に大勢の人が集まる事が難しい現在、学校行事をデジタル化して、現地で集まらなくても行事を行えるようにできることは子供にとっても大きなメリットとなりえるのではないでしょうか。

3ではICTによって、学校がどのように変わるかが紹介されています。個別最適化された学びを支えるために、先生が子供一人一人の学習状況を把握することや、授業を録画して授業で流し、それを元に子供たち自身が学習計画を立てて実行し、先生は巡回指導を中心として行うという、子供の学びをデザインする力を身に着けさせる取り組みが紹介されています。

子供たちの状況を把握し、適切な状況で声をかけるという見守る力が、これからの指導により一層求められるようになっていくのではないでしょうか。また、授業を録画し、振り返るということは、先生にとっても試行錯誤してご自身が最も良いものが撮れたと思った授業を子供に提供できることにもつながり、授業の質の向上も期待できます。

4ではICTを用いると効果的な校務や、導入例が紹介されています。遅刻や欠席の入力フォームやアンケートなど、これまで手有力で行っていたことをICTで行うことが紹介されています。

また、研究協議会など、先生の行う発表や会議もオンライン化しています。移動の時間や資料配布の手間の削減の他、アーカイブを残すことによって、欠席した人も後から閲覧が可能となるなど、様々なメリットがあります。

最後になる5では、子供が正しく学習者用端末を利用できるよう、どの様に指導したらよいかが指導事項、考えられる不適切な使用例、対応が一連の流れとして紹介されており、どのように指導を行えば良いのかが理解し易くなっています。

また、先行実施校における実際の指導事例が紹介されています。

この様に、リーフレットでは学校全体のICT化について事例を挙げつつ紹介し、どんなことができるようになるのか、どうすれば効果的かが紹介されています。今後は、授業のみならず、学校全体がICT化されていく流れができていくことが予想されます。

その先駆けとして、このリーフレットをご参考にされてみてはいかがでしょうか?

<参考資料>

*1 第43回総合科学技術・イノベーション会議 議事録(案)
(最終閲覧日2021年4月6日)

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